立会外分売とは?
立会外分売とは、会社の株主(主にオーナーなどの大株主)が取引所の取引時間外に、保有している株をまとめて売りにだすことを言います。
その際、市場取引価格よりも若干安い値段で売りに出されることが通例です。
取引時間中に大量の株式を一気に売りに出してしまうと株価が暴落してしまう可能性があります。
その点、立会外分売であれば決まった値段で売ることができるため、売り出す側が株価が暴落する心配はありません。
多少値引きした金額によりリスクヘッジができるというわけです。
立会外分売を行う目的
立会外分売を行う目的は、大きく分けて以下の2点です。
株式の流動性を高めるため
より多くの株式が市場に出回ることでより多くの人が株主となります。それにより株式の流動性が向上し、結果として、株に対してより実態を反映した値段がつけられるようになります。
また、流動性、株主数は上位の市場(東証2部から1部など)に鞍替えするための条件に指定されいます。
そのため、流動性、株主数の条件をクリアするために立会外分売を実施するというケースもよくあります。
大株主が株式をまとめて現金化したい
非常にわかりやすい理由です。特に説明もありません。
なお、立会外分売の実施理由は実施する会社から発表されます。
が、当然ながら下の理由が正直に発表されることはまずありません。
立会外分売される株式の購入方法
立会外分売が実施される株式は、証券会社を通じて購入を申し込んだ人の中から抽選で選ばれた人だけが購入することができます。
たくさんの人が購入したいと申し込んだ場合は購入できないということもあります。
抽選の方法も各証券会社によって異なっていますので、当選しやすい会社、当選しづらい会社というのがあります。
立会外分売のメリット
立会外分売のメリットは以下の2つです。
ディスカウントされた価格で購入できる
こちらがメインとなるメリットです。
前日の終値から2-3パーセントディスカウントされた価格で購入することができるので単純にお得に株式を購入することができます。
購入した株式はそのまま持っていても良いですが、受け取った直後に即売却することも可能ですので、購入して即売却することでディスカウントされた分の売却益が出る可能性があります。
仮に1株2,000円の銘柄が3%割引されて分売に出された場合、100株購入して1株2,000円で売れれば6,000円の利益となります。
購入時手数料がかからない
普通に株を購入する際には数百円程度の手数料がかかることが多いのですが、立会外分売であればどの証券会社であっても購入時の手数料はかかりません。
なお、売却時には証券会社によって決められている売却手数料がかかります。
ネット証券であればそこまで手数料が高くないので(コースによっては無料)そこまで気にしなくても良いかと思いますが、一応ご注意を。
立会外分売のデメリット
デメリットも確認しておきます。
分売日当日に株価が割引価格以上に値下がりすることがある
メリットのところで触れたように、立会外分売で配分された株式は即売却することができます。
そのため、配分された株式を多くの人が即売却した場合、普段よりも多くの株数が売りに出されることになります。
そのため、分売当日の始値は前日の終値よりも株価が低くなる傾向が見られます。
割引された以上に値段が下がってしまった場合は利益とならず、逆に損してしまうことになります。
ただし、立会外分売で利益が出そうかどうかはある程度事前に推測することができます。
そのため、利益が出そうな時だけ立会外分売に応募することで、それなりに安定して利益を得ることは可能です。
なお立会外分売を申し込む上でチェックすべきポイントは以下のページで解説しています。
当選しないことが多い
立会外分売は申し込んでも残念ながら当たらないことのほうが圧倒的に多いです。
特に利益が出やすい立会外分売は申込みが多くなりますし、利益が出やすい立会外分売は分売される株式数が少ない傾向にあるため余計に競争率が高くなります。
当たるときは連続で当たったりもするのですが、当たらないときはとことん当たりません。
あまり期待せず、当たったらラッキーくらいの気持ちで申し込むのが無難です。